猫に向かって「かわいい」という言葉を繰り返してしまうのは、きっとこの生きもののかわいらしさを表現するための充分な語彙を私たちが持っていないからで、猫と暮らして猫とふれあい、そのかわいらしさを体感するほどに広がっていく言葉とのへだたりがもどかしく、それを何とか埋めようとして、私たちはただ「かわいい」という言葉を並べ続けるのだ。