FinderViews : 労働意欲を増進 / 減退させる家電

October 2008

February 13, 2006

労働意欲を増進 / 減退させる家電

[Category: Column]

　先月、掃除機を買い替えた。どうせ毎日使うのだからと、ちょっと高くてイイやつを買った。これがいたって使い心地がいい。それまで使っていたのがシングル世帯向けのスタンドタイプで、ごくシンプルな機能しかなかったぶん、新しい掃除機の高性能ぶりが際立って感じられる。

　吸引力がパワフルとかメンテナンスが楽ちんとか、機能面で充実しているのは当然としても、使う人の動作がより少なくて済むよう考えて設計されているのが何よりすばらしい。人間工学的にもよくできているのだ。

　しかし、使っているうちに、この掃除機にも欠点があるのに気がついた。それは、「ダストケースの中身が外側から見えない」ことである。

　前の掃除機はダストケースが透明で、掃除機をかけながら、吸い取られたほこりがケースの中でくるくる回りながら大きく育っていくのを、つぶさに見ることができた。これが楽しかった。掃除を終える頃には、ほこりの結晶は拳大くらいまで成長していて（笑）、それを見てその日の掃除の成果を実感することができた。

　ところが、新しい掃除機は、ダストケースの中身が外側から見えない。すでにどれだけのほこりを吸い取ったのか、わからないのだ。
　これが、掃除をするモチベーションに、大きく影響する。ほこりの存在が視覚的に認識できないから、そもそも掃除する必要性がないような気さえしてくる。

　毎日部屋に掃除機をかけることは、猫を飼い始めたとき、私が自分自身に課したノルマだった。ノルマと言っても、以前の「ほこりが見える」掃除機を使っていた頃は、そのつどごっそりとほこりが取れるのが痛快で、むしろ楽しく、義務感などみじんもなかった。ところが、新しい掃除機に替えてからその気持ちは萎え、これほどひんぱんに掃除機をかける自分に、疑問さえ感じるようになってしまったのだった。

　目に見える成果が、モチベーションを維持するのにいかに重要か、ということ。

　この手の家電製品て、設計時に、「使う人の家事労働意欲を増進させるインターフェースになっているか」という点までは、考慮されないのかな。

Posted by mik at 11:16 AM | Trackback (0)

Comments: 労働意欲を増進 / 減退させる家電

そんなこと考えた事もなかったけど
たしかに中身(成果)が見えたら掃除も楽しいかも♪
掃除機についてこれだけ熱く語れるのは
一般人ではおそらくmikさんくらいですよ～(^m^)

Posted by つきこ。 at February 13, 2006 12:05 PM

＞つきこ。さん
空想生活というサイトがあって、ここでは理想の家電製品を提案し商品化する試みが実践されてます。参加者の、家電に対するこだわりが感じられて興味深いですよ～。

Posted by mik at February 13, 2006 03:06 PM

私は最後の最後まで結果がわからず「ぱかっ」と開けて「おお～！（喜）」となるのもなかなか楽しいと思います。
秋口などはヨジの毛よりも私の抜け毛のほうがすごかったりして「猫の抜け毛」ばかり悪者にできないか･･･と反省しました。でも猫毛はフワフワ浮いていつまでも落ちてこないから問題なんですけどねー。

Posted by yoji at February 13, 2006 09:21 PM

＞ yojiさん
『おお～！（喜）』。 ←わかるわかる。（笑）
掃除機で吸引したホコリのうち、猫の抜け毛が占める割合ってどれくらいなのか、調べてみたいです。たしかに思ってるほど多くないのかも。
人の頭髪のほか、衣類やふとんの繊維から出るものもかなりある気がします。それなのに、一方的に「猫は抜け毛が多くて掃除が大変」と言うのも、ちょっとアンフェア。

Posted by mik at February 14, 2006 12:57 PM

コメントをどうぞ