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『クロ』

[Category: Music]

　同じ職場のOさんが、遊佐未森の『クロ』のCDを貸してくれた。
　この曲、ご存知の方もいると思うけれど、先月、NHKの『みんなのうた』でオンエアされていたもの。1人の女の子と黒猫（クロ）の出会いと別れを描いたこの歌、とてもせつなくて、テレビから曲が流れ出すたび、私は画面の前に釘付けになって聞き入っていた。（ちなみに、番組中のアニメーションの絵はおーなり由子。）
　Oさんも猫を飼っていて、それが黒猫。それで私は前に、Oさんとの雑談の中で、この歌を話題にしたことがあった。それがきっかけだったかどうか、Oさんもこの歌を気に入ってくれたらしく、このたびCDを買ったとのこと。

　この歌の中に出てくる、女の子と「クロ」の別れのシーンは、可哀想で可哀想で、思い出すだけで涙が出てきてしまう。

　6年前、実家で飼っていた犬が死んだときのことを思い出す。
　実家の父から、電話で訃報を知らされた私は、帰省して、ぐったりと横たわったままぴくりとも動かない、愛犬の遺体と対面した。
　涙が止まらなかった。
　これは私の犬ではない、と思った。あの子の抜け殻だ。遺体という字は「遺された体」と書くのだけれど、まさに、愛犬が体だけ残してどこかへ行ってしまったという感じ。もう2度と会えないどこか。
　動物たちはそうやって、ある日突然、飼い主のもとから去って行く。サヨナラさえ云わない。薄情な別れ方をする。
　動物を飼うということは、そういう痛みを覚悟するということなのだと思う。

　いま私が一緒に暮らしているミルとキクだって、将来、必ず別れのときがやって来る。だけどそのときだって私は、泣いたりうろたえたりするものか、と思う（いや、実際は泣いたりうろたえたりするだろうけど）。何があってもすべて『分かってたって顔して』生きていきたいのだ。

　＊　＊　＊　＊　＊

『分かってたって顔して生きていこう』のフレーズは、大好きなGOMES THE HITMANの曲『猫のいた暮らし』の一節。私は日常生活のさまざまな局面で、心の中でこれを唱える。そして動揺の回避を試みる。

Posted by mik at 03:30 PM | Trackback (0)

いきなりこんな話するのも何ですが…
私は少し前まで動物に全く興味がなく
というか、あまり得意ではなくて
家で飼っていた犬やインコが死んだ時も
全然世話をしていなかったせいか
特にショックを受ける事もありませんでした。
薄情なヤツだと思われても仕方ありませんけど
どちらも老衰でしたし「あぁ、死んじゃったんだ」
くらいにしか思わなかったんです。
でも４年前に父が他界した時に、なぜか急に
無性に猫を飼いたくなり、知人から譲り受けて今に
至るのですが、この子達が死んだら･･･なんて
想像するだけでうるうるしてしまいます。
別れは当然やってくるものなんですよね。
父の死を通して(と言ったら大袈裟ですが)
ペットを含め家族や生き物に対する考え方が
自分の中で180℃変わったんだと思います。
でもmikさんが言うように「分かってたって顔」して
見送ってあげることなんて私にできるのかな、
なんて考えてしまいました。そうしてあげられたら
きっと猫も安心して逝けるのでしょうね。
そういう強さと優しさも必要なんですよね。

長々と書いてしまいました。すみません。

Posted by つきこ。 at January 25, 2006 04:36 PM

「クロ」がTVで流れていたちょうどそのころ、ウチの庭に黒い子猫が居ついてしまいました。いろいろあって、これ以上飼えないので、見なかったことにして去ってくれるのを待っていたのに、クロちゃんはずっと居つづけ、結局はウチの子になりました。本当は、この子が死ぬまで面倒みられるかどうか、責任持てないのに・・・。この歌はそんな私のフクザツな気持ちを歌っているようで、聞くと悲しくなったのを憶えています。まさかここで再会するとは！
今は、このさき何が起きても受けとめようと思います。泣いたりわめいたり後悔したり誰かのせいにしたり卑怯になったり死にたくなったりするだろうけど、それでもいい、って。
そうすると少しだけ心が軽くなって、クロとストレートに関われるようになりました。
・・・長くなってごめんなさい

Posted by マイクのママ at January 25, 2006 08:59 PM

去年の年末、ワタシが高校時代に拾ってきてから20年、実家で生きた猫が死にました。かなりのヨボヨボでしたが、その日も普通にご飯を食べたそうです。そうしてほんの2時間後に『ふうっ』と息をするのが止まったそうです。死んだと聞いてとても悲しかった。でもよく生きて、よく死んだんだなと、不思議な幸せを残してくれました。家族に癒せない悲しみではない悲しみを残して彼女は去っていきました。本当に良い猫でした。

Posted by くる at January 26, 2006 12:01 AM

＞つきこ。さん
ごていねいなコメント、ありがとうございました。
私は、実家で飼っていた犬をのぞいて、家族や近しい親類を亡くした経験がなく、そのときが来たときのことを想像すると、どれほど悲しいだろうかと思います。
でも、それに対してあらかじめ心の準備をしておくというか、「愛する人や猫たちと死別するときも、自分はけして泣いたりしない」と決めておきさえすれば、悲しみの大きさを想像するのをストップできる気がするのです。強がりの練習みたいなものでしょうか。

＞マイクのママさん
おおっ、まさにこの歌を地でいく出会いがあったのですね。名前まで同じ。
私もうちの猫たちを拾った当初、本当に終生養ってやれるか自信が持てずに悩みました。
実際、猫がいることで、正直しんどいことも確かにあります。でも、（猫の飼育歴わずか8か月の私がエラそうに言うことではありませんが）一緒に過ごす楽しい時間は、それを補って余りあるものと思われます。
クロちゃん、かわいがってあげてくださいね。黒猫好きのmikでした。

＞ athukoさん
はじめまして。見ていてくださったのですねー。このたびはコメントをありがとうございます。
CD買いに行かれますか。ほかにも、この記事がきっかけで、CD買う方っているかしら。アフィリエイトにしとけばよかったかな。←笑
ブログ拝見しました。うわー、お料理すごいー。おいしそうー。きれいー。見ていてお腹がすきました。
モモちゃんかわいー。おうち広いー。しかも周辺、風光明媚ー。思わず「いーなー」を連発してしまった私です。

＞くるさん
そんなことがあったのですね。
共有した時間が長いほど、親しい人やペットを亡くしたときの悲しみは大きいと思います。喪失感もまた。
でも20年間元気で、人間の家族にかわいがってもらえて、他界したあともそのように想ってもらえるなら、亡くなった猫さんは充分幸せだったと思います。
いいお話を聞かせていただきました。

Posted by mik at January 26, 2006 03:55 AM