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October 08, 2006

キクが泣いた日

[Category: Cat - Owner's Voice]

ちょうど1年前の10月、キクは去勢手術を受けた。
あの時期、このブログはシステムの不調で更新を休止していたため、それについてはふれたことがなかった。今、思い出して書いておこう。
キクの去勢手術では、忘れられないことがある。

  *  *  *  *  *

雄猫の去勢手術というのは比較的短時間で済むらしく、動物病院への入院も半日ですむ。その上、キクの手術をお願いした病院では術後の抜糸さえ必要なかったし、猫にとっての肉体的な負担はさほど大きくない(ように思う)。

その代わり、というわけでもないだろうけど、精神的な負担はものすごく大きい。見知らぬ場所(病院)に置き去りにされ、わけもわからないまま見ず知らずの相手(獣医さん)に触れられ、麻酔を打たれ、メスを入れられる。猫が感じる恐怖はどれほどか知れない。

実際、去勢手術を終えたキクを私が動物病院へ迎えに行ったとき、彼はとても不機嫌かつナーバスになっていた。キクの入ったキャリーを私がのぞくと、彼は反射的に威嚇した。

獣医さんからは、術後じゅうぶんな時間が経っていないので、家に帰ってもキクをキャリーから出さずに、そのまましばらく休ませるように言われた。

ところが帰宅後、言われたとおりにしようとしたら、キクはキャリーの中で大騒ぎを始めた。「出してーーー!!!」とばかり、狭いキャリーの中で暴れるわ鳴きわめくわ。大丈夫大丈夫、と私が外から声をかけてやっても、ちっとも落ち着く様子がない。

無理もない。大変な怖い思いをして、やっと家に帰って来たと思ったら監禁の仕打ちなのだ。

さすがに可哀想になって、出してやろうかと心が揺らいだその矢先。キクは、とてつもなく大きな叫び声を上げた。「うおおおおー…」という、まるで人間が号泣するときの嗚咽のような、悲痛な声だった。

あのとき、キクは本当に「泣いて」いたのだと思う。涙こそ流さなかったかもしれないけれど、辛くて痛くて悲しくて、たまらなかったのだ。心の中で半べそをかきながら、「もうやだーーー!!!」と叫んだのではないかと。

私は、キクをキャリーから出してやった。

猫が豊かな喜怒哀楽の感情を持っていることは、猫と暮らしている人ならばよく知っていると思うけれど、あのとき私は、猫に「悲しむ心」があることを痛いほど実感した。そして、この小さくて弱い生きものに、けして2度とそんな思いをさせてはいけないと誓ったのである。

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Posted by mik at 08:50 AM | Comments (25) | Trackback (0) |


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キク / 茶トラ♂
2005年4月生まれ。甘えん坊主。運動神経やや鈍し。野菜好き。

ミル / 三毛トラ♀
2005年4月生まれ。面倒見のいいキクの姉。やっぱり野菜好き。

mik / 32歳女
ミル&キクの飼い主。千葉県在住、一人暮らしの会社員。













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