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April 16, 2006

猫の手づくり食、これを道楽と呼ぼう

[Category: Cat - Food]

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 今あるキャットフードのストックが尽きたら、その後は猫たちの食餌を完全に手づくりのものだけに切り替えてしまおうと思っている。

 市販のフードの品質がどうこうというわけではなく、これも猫との暮らしの楽しみ方の一つかと。猫の食べるものに、余計にひと手間かける。世話焼きたがりなのだ、私。
 …と言っておこう。

 ミクシィで、猫の手づくり食を愛好する飼い主さんたちのコミュニティを見つけて、そこに投稿された数々の記事を読み、うーん、みなさん手間をかけお金をかけ、猫にいいもの食べさせてるなー!と思った。
 ヒトの社会の飽食と健康志向と高級志向が、ペットにも及んでいるという実感。

 これについては、ちょっと複雑な気持ちになる。

 世の中には、貧困や食糧不足などの理由で、猫のエサほどのものにすらありつけない人も多い。(猫の食餌に「エサ」という言葉を使うことを嫌う愛猫家の方もおられるが、あえてここでは使おう)。

 たとえば、日本で販売されている猫缶の多くはタイ製である。辺見庸のルポルタージュ『もの食う人びと』には、タイにある日本向けキャットフードの生産工場で働く女工さんに取材した手記があった。それによれば、猫缶に使用されている肉類というのは、現地の人々が普段食用にしているものより高品質なのだとか(ジャーナリスト・辺見氏は、この女工さんに対して「そのことをどう思う?」という酷な質問をしている)。

 また、キャットフードとは直接関係ないけれど、ずっと前に新聞で「デパ地下の食品売り場では、毎日どれほど多くの売れ残りが残飯として廃棄されているか」というレポートを読んだことがある。しかし、私にとってはその記事自体より、同じ新聞の別のページに載っていた、「戦渦のアフガニスタンで、食糧不足のために、地面の雑草を食べて飢えをしのいでいる家族」の記事との格差がショッキングだった。

 …だから何だと言うのだ。ペットにいいもの食べさせたら不謹慎だとでも言うのか。いや、そうじゃない。
 私たちはそういう貧しい人たちを憐れんだり、自分たちばかりが豊かな食生活を享受していることに恐縮する必要はない。私たちは自分たちやペットが食べる物を得るのに、正当な対価を払っている。何ら不正をしているわけじゃない。

 …にも関わらず、このやりきれなさは何なのだ。

 だからせめて、日本のペットが食べている程度の食糧にもありつけない人たちが現実に存在するという事実の前で、私は、自分の飼い猫にヒトと同じ物、もしくはそれ以上の品質の物を食べさせたいという気持ちを「道楽」と呼ぼう。そう、これはあくまで道楽だから。猫にいいもの食べさせてやる「べき」だなんて、まさか本気で思ってないから。

 われながら幼稚だと思う。世の中の貧困に対する単純な同情。オマエはほんとに大人か。

 私自身の体験として思い出すのは、もう10年以上も前の話になるけれど、旅行先の中国で出会った、幼い子どもの物乞い。物売りではなく、物乞いだった。あのとき私は、その子にあげられるような物を何も持っていなかったことで、自責の念にかられさえした。
 あれから私は何も成長していない。それこそ、捨てられた子猫を拾って帰ってくるのと同じ。

Posted by mik at 10:17 AM | Comments (10) | Trackback (0) |


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キク / 茶トラ♂
2005年4月生まれ。甘えん坊主。運動神経やや鈍し。野菜好き。

ミル / 三毛トラ♀
2005年4月生まれ。面倒見のいいキクの姉。やっぱり野菜好き。

mik / 32歳女
ミル&キクの飼い主。千葉県在住、一人暮らしの会社員。













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